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一刀両断 実践者の視点から【第615回】

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論説・コラム

教員による性犯罪と「時効」

 都内で校長を務めていた男が生徒への性的暴行により懲役の判決を受けたという。この事件から、日本には時効という不思議な法制度があることを思う。
 何のためにあるのかと問われて被害者を納得させられるのだろうか。恩赦というこれまた不思議な制度も存在する。許されない行為が何故か許されるのである。
 これは因果から言えばあり得ない事であり、加害者を許すのは法ではなく、被害者のみではないだろうか。
 今回のような事件も時効が成立するとなるとお構いなしとなる。子供の人生を弄んで許される教育者が日本には存在する事になる。
 この甘さが次の犯罪を生む事になるのではないだろうか。この校長経験者が勤務していた学校や、指導を受けていた教員も被害者なのだろうか。そしてその裏切りを許してしまえば認めた事になりはしないか。
 任命責任のある教委の責任や再発防止は出来るのだろうか。
 私も似たような被害の訴えを聞いた事がある。教育委員会に伝えたところ、「何で今頃?証拠もないし、時効があるし」と言われたことを思い出す。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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