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新装版 学校をおもしろくする思考法 卓越した企業の失敗と成功に学ぶ

12面記事

書評

妹尾 昌俊 著
コンビニや県庁の事例紹介

 本書は、令和元年に刊行されたものが新装版として再刊された。とはいえ、内容は新鮮で、今の学校現場に十分生かせるものである。タイトル通り、卓越した企業や団体の経営方針やリーダーの手腕、考えを取り上げ、そこから学校教育現場は何を学べるかを考えさせられる。失敗例・成功例からは触発されることが多く、豊かな学びが得られるはず。
 幾つか紹介しよう。有名なコンビニの企業からは、強烈な問題意識を持って取り組むからこそ、消費者の心理を想像して動き出せることを学ぶ。問題意識のない人は、同じ景色を見ていても見えてこない。学校運営に当てはめて考えてはどうか。「できない」ことの理由ばかりを考えていては変革など起こるはずもない。同様のことが佐賀県庁の政策イノベーション担当の人からも学べる。「公務員の魅力は『社会のために挑戦できること』」の言葉には、夢や勇気を得た。
 学校のマネジメントは企業にはない難しさはあるだろう。しかしどの事例からも共通して「何のためにやるのかを理解すると人は動く」とあるように、ビジョンの本質を共有し浸透することが重要だ。
 「あなたにとって大切な中核となるものは何ですか。あなたは何のために走り続けていますか」。このことを自問自答し、学び続ける力を身に付けていかねばと思う。ぜひ手にしていただきたい一冊である。
(2420円 学事出版)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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