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一刀両断 実践者の視点から【第606回】

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当選目指さぬ立候補

 このたびの兵庫県知事選では、当選を目的とせずに立候補した人がいるという。当選した人物の応援にも当たったと報じられている。
 この手法が正当だとすると、立候補という意思が本当はなくとも、他を勝たせる為に様々な場面で影武者のように放言できることになる。結果としてその戦略が県民の選択に大きな影響を与えて目論み通りの結果となった。
 選挙違反にならないとされているが、自分は当選しなくていいから、自分に投票はしないでいいと主張して立候補する事が正しい民主主義とは理解できない。
 立候補とは、勝ち負けの前に県民の為にという意思がなければならないのではないだろうか。メディアや県議会などの意識改革にはなっただろうが、これが主権者教育を教える側からしたら戦略で勝てることになるとはならないだろうか。どうもスッキリしない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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