GIGAスクール構想2.0推進ハンドブック GIGA端末の更新で新しいステージへ
14面記事GIGAスクール構想2.0推進委員会 編 丸山 洋司 編集代表
第2期見据え、財政から実践まで
GIGAスクール構想は、児童・生徒の1人1台のタブレット端末、高速大容量の通信ネットワークの一体的整備を目指した令和元年度補正予算(文科省)によって始動した。その後、発生した新型コロナ感染症による環境の変化が整備計画の前倒し要因となり、1~2年という短期間で実現してしまった。これまでの教育への財政出動の厳しさを考えると奇跡と言っていいのではないだろうか。
タイトルにある「2.0」とは「第2期」を指す。既に構想(第1期)が進み、故障する端末、ネットワーク環境の不十分さ、迫る端末の更新などの諸課題をどう克服し、次のステージに進むためには何が必要かを、GIGAスクール構想を進めてきた文科省職員などが1部「GIGAスクールとは」として執筆した。一部私見なども混じるが、熱意あふれる”行政説明文書”である。
2部「GIGAスクールの端末活用事例」は日常的な活用のポイントを示し、各自治体、公・私立の学校が取り組む20のグッドプラクティスと、授業のパラダイムシフトについての識者らの解説を理論編として収める。
全国には、掲載した取り組みほどGIGAスクールの良さを生かし切れていない所もあるだろう。だからといって、実現できたこの好環境を後戻りさせてはならない。GIGAスクールが描く教育の未来を理解し、発展させる機運を高める一冊になった。
(2750円 悠光堂)
(矢)