「言葉による課題解決力」を育てる説明的文章指導 「読みの観点」×「単元の類型」でつくる授業
13面記事田中 拓郎 著
教材研究と授業づくりの要点も
先行研究の成果と課題に学びながら、小学校国語科の説明的文章の「読みの観点」を整理し、教科書掲載の説明的文章単元を類型化することによって、それぞれの教材が求める指導の方向の明確化、「主体的な学習者(読者)」の育成の手立てを示した点に特徴がある。
「読みの観点」には「題名読み」から「問いと答えの内容(事柄)と関係」などで構成する「筆者の『言葉による課題解決』から学ぶための観点」と、「要点、要約、要旨」「批判読み」などによる「学習者の『言葉による課題解決』のための思考や手立て、言語活動に結びつけるための観点」を設定した。
「単元の類型」では指導目標の観点から「読解型」(内容・形式・論理重視)と「表現型」(情報活用・能力関連重視)とに類型化し、「単元のゴールとなる言語活動」(習得・活用・探究ベース)を細分化し、整理した。
例えば2年の教材の「たんぽぽのちえ」(光村図書)は「読みの視点」から「順序、わけ」を大切にすることを求めた「読解型」「内容重視」であり、筆者の認識・思考を受容する言語活動を促すことから「習得ベース」の教材と位置付けることができる。
教材ごとの単元類型の特徴分析は各教科書の特色を浮き彫りにする。掲載する具体的な教材を「読解型」「表現型」に分類しながら教材研究と授業づくりのポイントを示した章などと相まって、説明的文章指導を見直したい教師には多くの示唆を与えてくれる。
(2420円 東洋館出版社)
(矢)