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一刀両断 実践者の視点から【第592回】

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論説・コラム

水泳事故は教育長の責任か

 水泳授業中に小学生が亡くなり、その自治体の教育長が辞職したという。そのことを報じる記事には釈然としなかった。
 だれの責任か。教育長ではないだろう。児童が亡くなるような状況で授業を行う許可を出したなら筋は通るが、それはあり得ない。教育長の責任は問えないだろう。
 安全配慮義務について考えると、校長の責任を問わなければならないのではないだろうか。
 以前も、校長を庇って不祥事の責任を教育長が取って封じた出来事があった。将来ある後輩を守る為に身を挺して納めてほしい、という気持ちはわかるが、それでよいのだろうか。
 部下の責任を取ってという姿勢が組織の歪さを招くことにはならないだろうか。真逆のことをして辞職した知事もいる。こうした辞任劇が組織の健全化とは真逆になって口を噤む事になるのではないだろうか。偽善とは言わないまでもその不自然さは忘れられない出来事として残るのではないだろうか。この件に関連したポッドキャスト番組がある(https://open.spotify.com/episode/02ItGkzhh1E8FH6DRvvM7C?si=y7PY7Y1tQTCGWPSHmxHyRg&t=32)。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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