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一刀両断 実践者の視点から【第591回】

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教委からのフリーメール送信

 千葉県教委の教育事務所が電子メールを一斉送信した際、受信した側から他に受信した人のメールアドレスが見える状態にしていたという。報道によると、公用のアドレスから送れば、一斉送信しても、送信先のアドレスは分からないようにする「BCC」が働くが、今回は、フリーメールから送って事故に至ったとのことである。
 担当者はBCCの機能を知らなかったのだろうか。BCCさえも危ないから暗号化を図るのは基本と思えるが、そうとは判断しなかったのだろう。
 問題は、意識の訓練である。こうした初歩的なミスはなかなか起きない例ではあるが、その扱っている情報の質からしてかなりの注意をしなければならない個人情報となっている。発信は複数の確認や許可を得てされるべきではあるが、単なる担当としての裁量権でされていた事になる。
 さらにフリーメールの怖さが理解できていない。メディアリテラシーが欠如しているから、行政に入った時に受ける研修の質や回数が再考される必要がある。
 行政では、学校で勤務し扱っている内容とは異なり、莫大なデータを扱う事になる。よって学校の業務の延長にはない事を理解し徹底させないとこうした事件は防げない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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