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一刀両断 実践者の視点から【第585回】

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論説・コラム

学生のメンタルヘルス

 《「学生がメンタルヘルスに問題」85%の大学で》という見出しで本紙電子版が公開した記事には合点がいった。その異常値は想定を超えていた。
 メンタルヘルスに問題を抱えている学生が増えているという。大学の特質として個々の学生を把握し指導する体制が出来ておらず、自己判断にしている事が多い。
 私は遅刻や欠席をする学生には理由を確認して個別指導を重ねるようにしてきている。その対応は極めて珍しいと怪訝な反応をされる。
 指摘したいのは学生相談室の対応である。かなり重篤になってから相談に来るケースが多い。
 それよりも早めの対応は把握しやすい。大人数の授業となると把握は困難になるが、内存している事を意識して教師や事務職は対応すべきではないだろうか。
 いかに専門性があっても学生の異変を感じて対応する力が大学の全ての教員に求められないのは何故だろうか。
 採用段階で、演習形式で定期的に訓練をしないとメンタルの問題は教師自身を含めて手遅れになるケースは多い。特にメンタル関連の知識や経験も乏しい方が責任者となると後手後手になり悲惨な状況を招く。それは分かったふりをするからである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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