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PROG白書2024 ジョブ型雇用への処方箋:企業人4000人の働き方志向・仕事能力・学び行動調査

12面記事

書評

リアセックキャリア総合研究所 監修 PROG白書プロジェクト 編著
社会人に求められる力とは

 キャリア教育の重要性が高まり、生きる力や非認知能力などその時々で求められる能力がある。しかし多くは企業人材等を想定しており、全ての児童、生徒、学生に当てはまるのか議論の余地があるだろう。
 PROGとは本来、大学生のジェネリックスキルを測定する調査で、(株)リアセックと河合塾が共同開発したものである。ジェネリックスキルとは社会人に求められる汎用的能力や社会人基礎力である。本書では社会人を対象に仕事能力や学び、働き方志向に関する調査を行った。またリテラシー(認知能力)とコンピテンシー(非認知能力)の調査も行って分析している。
 本書の調査対象者は、公務員を除いている。これは雇用形態、キャリアパス、ひいてはキャリア観が異なるからであるとしている。公立学校の教員も公務員なのでキャリア観が異なる。しかし各学校でキャリア教育が期待されている以上、現在の雇用状況や求められる能力について無知であってはならない。ただ非認知能力については、認識の違いがあるようだ。
 他にも管理職のリテラシーやコンピテンシー、仕事評価にも触れていて参考になる。教員は、本来ジョブ型雇用に近いのではないだろうか。それが業務の増加でメンバーシップ型雇用に近づき、働き方改革問題になっているような気がする。
(2640円 学事出版)
(中村 豊・公益社団法人日本教育会事務局長)

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