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いじめ・不登校問題 保護者対応を指南

8面記事

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重大事態調査委員長 経験の嶋崎氏が著作

 教育開発研究所はこのほど、「いじめ・不登校『先生、その対応間違ってます!』」(嶋崎政男著)を刊行した。いじめの重大事態を調査する委員会の委員長を務めた経験のある著者が、過去の事例を踏まえ、いじめ・不登校の問題を解決に導く学校の保護者対応のポイントを示している。
 本書は2部構成となっており、第1部では1990年代半ばから増えた「保護者クレーム問題」の背景や要因を振り返る。背景には、学校に対する批判的な風潮や、学校教育を「サービス業」と捉え過度な要求をする保護者の存在がある。
 子どもにとって最善の方向を目指して連携・協働すべき学校・保護者が、法律の論理によって対立することが問題だと指摘する。この他、保護者が精神的な問題を抱える場合もあるため、外部機関の支援も欠かせない。
 第2部では、これまでの事件・事例を生かし、保護者との協働関係を築くため「相互理解の深化→人間関係の確立→協働意欲の醸成→役割機能の遂行」という流れを解説。保護者との相互理解のため、教育相談の「技術」よりも向き合う「心(気持ちや姿勢)」が重要といった九つのポイントを提示している。
 最後に、「クレームからクリエーションへ」を掲げた提言を収録。これまで培われてきた「日本特有」とされる学校と家庭が一体となった取り組みの良さも見直すべきだと締めくくっている。
 四六判、176ページ、定価2310円。
 問い合わせ=Tel03・3815・7041

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