一刀両断 実践者の視点から【第574回】
NEWS授業で負の連鎖を止める
ヤマハ発動機の日高社長を娘が切り付け、逮捕されたという。殺人の半数以上が家庭内で起きているといわれる現実がこの件からも分かる。
親子や家庭で起きる様々な軋轢は、近い関係だからこそ、家族だからこそ、起きやすくなる場合がある。その対処法を私たちは学んではいない。怒りの処理が出来ないとか、願いと依存とが交差して子供だから親だからと要望が過度になる。
他人ならそうはならないのに家族ならばこそ追い詰められやすいのである。
それを想定し、早い段階で演習的に学ぶ必要があると私は40年前から実例を挙げて授業に組み込んで来た。すなわち学びが役に立つのは勿論の事、想定内の負の連鎖を止めねばならないからである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)