中高生のための宇宙教育プログラムを解説
10面記事ナカニシヤ出版
ナカニシヤ出版は今春、「中高生のための宇宙教育プログラム」(向井千秋監修)を刊行した。東京理科大学で実施した「宇宙教育プログラム」の昨年度までの3年間(第3期)の成果をまとめた内容となっている。監修者は、プログラムの研究代表を務めた。
このプログラムは宇宙分野での人材育成を目指し、文科省の委託で平成27年度から実施された。第3期では、中高生向けの教材開発や教育現場での実践を目的としている。
本書の序章で、開発を進めるプログラムの概要をまとめている。中高生が宇宙について学ぶ意義として、宇宙開発プロジェクトを成功させるための「高度で複合的な力」が、これからの時代を生き抜く上で不可欠であることを挙げている。
前半では、必要となる「70の心構え」を「基本姿勢」「チームづくりにおける心構え」など七つの領域に分類。宇宙開発の最前線で活躍する研究者・技術者へのインタビューを基にまとめたもので、宇宙飛行士の向井氏による詳しい解説も加えている。
後半では大学生が「月面に建築物を建てる方法」や「天体の動きや見え方から現在地を確認する方法」といったテーマで、実践を行った際の指導案や留意点も示している。
最終章で、開発した教材を使った授業の成果が分かる対談も添えられている。
四六判、208ページ、定価2200円。
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