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生徒の心に寄り添う進路指導の言葉かけ キャリア・カウンセリングの視点を生かして

14面記事

書評

三村 隆男 編著
教師の強み生かした相談事例

 「志望校が学力に合わないと担任に言われましたが、変えたくありません」「入試で自分をPRできることがありません」「第1志望ではないので、高校生活で頑張りたいことが見付かりません」。こんな思いを抱く生徒の相談に、あなたならどう向き合いますか―。
 本来であれば、カウンセラーとしての専門的な教育が必要なキャリア・カウンセリングの世界で、日本の教師はその力量を発揮することが求められている。
 本書は「教師」が「『生徒の心に寄り添う言葉かけ』を通した進路指導・キャリア教育の中核であるキャリア・カウンセリングをどのように展開するか」を問題意識として「教師である強みを生かした相談」の在り方を提案したものだ。
 第1部でキャリア・カウンセリングやそこに位置付く自己理解を促す活動、進路情報、啓発的な経験の提供といった「進路指導の6活動」などを解説。第2部は「自己理解」「進路情報」「人間関係」「移行不安」などに類別した中・高校での相談事例を掲載した。
 相談事例は経験豊かな教員らによって執筆され、校種別に実際の「教師の言葉かけ」を提示するだけでなく、「言葉かけの背景」を併記してキャリア・カウンセリングの理論的な知見に触れることもできる。経験年数にかかわりなく、進路指導に悩む、あるいはより理解を深めたい教員にとって参考になる。
(2200円 東洋館出版社)
(矢)

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