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一刀両断 実践者の視点から【第542回】

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論説・コラム

10代の行方不明の原因は

 《10歳代の行方不明、3年連続で増加》という見出しの記事にあるような事態が最重要視されない国に未来はあるのだろうか。
 この要因は当事者達にはほとんどないはずである。社会や教育そして家庭によってなされた皺寄せと言った方が適切だろう。
 この体質や制度やシステムを本気になって我が事として取り組んでいる大人はどれほどいるのだろうかと疑問になる。
 こういった家庭や社会の崩壊を止める為に教育があるはずである。なのに不登校は増え、教員の成り手がいないという現実が日本国の衰退を象徴しているのではないだろうか。
 ならば今の教育や予算配当で改善が出来るだろうか。先ずは金勘定よりも国家の基盤をつくる人づくりすなわち教育へ視点を当てるべきではないだろうか。
 現実課題を解決出来る指導陣を揃えて、実学を中心に据えて定年制を廃止するなど抜本的な改革をしなければ、現実に希望を持てない税金大国、不正をしても権力が優先される国に魅力は感じられず、国外に意欲のある若者ほど流出するのは目に見えている。
 行方不明にさせているのは、私達大人の生き方そのものにあるのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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