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一刀両断 実践者の視点から【第535回】

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論説・コラム

公務員処分の不公平感

 神奈川県小田原市で市職員の不祥事が相次いでいるという。教員が同じ行為に及んだならほとんどが懲戒免職にならないだろうか。立場はいずれも公務員であって、停職で済むのは何故だろうか。社会的責任で判断するなら教師以上の影響を与えているようにも思える。
 「居酒屋で酒を飲み、帰宅後に車を運転し自損事故を起こした」(停職6カ月)、「めいてい状態で車を運転し通勤した」(停職6カ月)、「同僚2人の尻を蹴ったりヘルメットで頭を殴ったりした」(停職1カ月)、「衣料品店で長袖のシャツ3点あわせて5000円相当を万引きした」(停職2ヵ月)
 このうち2人は依願退職し、退職金は支払われる。懲戒免職なら支給されない。このような不公平感を何故指摘して是正しないのだろうか。
 社会的責任なら政治家の方がはるかに大きくとも罪を逃れていく我が国は法治国家と言えるのだろうか。ここを正さない限り我が国に不審と不満がますます蔓延してはいかないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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