信頼される校長の条件
16面記事竹内 弘明 著
現場目線で学校運営の不易示す
公立・私立学校長、県教育委員会事務局など、さまざまな立場で学校教育に携わってきた著者は、学校経営の根幹に当たるキーワードは「信頼」であると語る。
教職員をはじめ、全ての学校関係者と信頼関係を構築するために何が必要か、変化が加速する「令和」の時代でも不易の事柄として「信頼される校長」の在り方を説いた、貴重な書である。
数多くの校長等との交流で培った校長学・経営学を基に、全6章にわたり、現場目線で、等身大で、しかも誠実に記されている。
評者も、校長であった現職の時に、この本を読むことができていたらと…残念だ。
第2章「教職員に感謝とリスペクトを」と、第3章「信頼される校長 人物編」は、常に心に留めておきたい、説得力ある内容。
第4章「信頼される校長 学校運営編」は、圧巻だと思う。学校の危機管理、教職員の服務規律、人材育成など、学校現場で実践すべき価値ある内容。「ポテンヒット」「ファインプレー」等の野球用語も楽しく効果的。
第5章「信頼を失わないための心得」では、逆に「信頼を損なう四字熟語」を多数提示し、興味深い。
コラム「ワンフレーズの校長学」は端的で印象的だ。
学校管理職の先生方、管理職を目指す先生方にとって必読の書であると思う。
(2420円 教育開発研究所)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)