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一刀両断 実践者の視点から【第528回】

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性的不祥事、予兆に気付くシステムを

 《SNSでつながり性被害…中学校の運動部外部コーチが女子生徒と性的関係 養護教諭に相談…なぜ、発覚後も1カ月継続》(FNNプライムオンライン)という見出しの記事のような不祥事は、研修の強化で再発が防げるだろうか。
 こうした案件は至る所で起きているように思える。ただ表沙汰にならない、しないからではないだろうか。
 ある事案は、卒業後結婚するのでと責任を取る形で収めているケースがある。性の欲望が立場を超えて人としての道を外してしまう事は少なくない。
 こうした本能のようなものを、理屈や代償の大きさを示しても制御出来るだろうか。唯一出来るとすれば個人面談で相手の内心や欲望の傾向を把握して、監視しているぞ!という緊張を持たせることか。そうでないと欲望の魔性に魅入られてしまう。
 千日行という苦行を乗り越えた大阿闍梨でさえも邪義を強いていたニュースが話題になっている。
 今回のケースへの対処としては、予兆に気がつけないシステムを変える必要がある。
 個に対しての指導すなわち指示や伝達は、納得の域にまで差し込まないと欲望は抑えられない。上半身は道徳的でも下半身は不道徳で多くの信頼を失った先生が居たことを私は忘れない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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