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一刀両断 実践者の視点から【第524回】

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バレーボールに見る「励まし」

 このたびの男子バレーボールの大会で日本はドイツを相手に勝利した。手に汗握る接戦だった。
 他のスポーツにもあるかもしれないが、「チーム」を意識させる光景がいつも目に止まる。それは渾身のサーブをして外れた時の励ましの姿である。
 悔しがるよりも早く皆からの励ましが動く姿である。よって笑顔になるのが早く立ち直るスピードが驚く程早く感じられる。
 ミスを引きずるというよりもミスから学んで次に生かそうとする心の動きを感じさせてくれる。いいスポーツだと痛感させられる瞬間である。
 この励ましの速さは教育においても同じように重要であり、思っていただけなら伝わらない。
 すぐに自ら寄っていき手を合わせるその早さと添えられる言葉と笑顔にある。
 それが互いの信頼を高めて身長差を越えるチームワークを生んでいるように私には思える。激戦を経験しながら目つき顔つきが確実に変わっていく選手たちの姿は教師として学ぶべき視点が多くある。
 これほどまでに面白いスポーツとは思ってはいなかった。スピーディーさと迫力と躍動感そして何よりも励ましのチームプレーに魅了されつつある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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