一刀両断 実践者の視点から【第523回】
NEWS改革できない組織
《「県警本部長が犯罪隠ぺいした」情報漏えい容疑で逮捕の前県警生活安全部長「漏えい文書は告発」と主張…「意見陳述内容」詳しく掲載 鹿児島》(TBS NEWS DIG)という見出しの記事によると、組織の不祥事を指摘した人物が処分を受けるという理不尽な出来事が起こった。
あってはならない事ではあるが、よくある事ではないだろうか。明らかにパワハラの証拠があっても、それに輪をかけてデマを流して報復しようとする行為もある。
本来ならば是々非々で反省して改心すべき所が逆に被害者が不利益になるようにデマを流して追い込む手法もある。
権限を持っている者が黒といえば黒になる組織では、正邪はその権力者のさじ加減となりかねない。よく昭和の時代と揶揄されるが、昭和でもあり得なかった事であり改革できない組織のマンネリ化を指している。
通信制高校の生徒が、担任や友達から成績の良さを疑われ、本人には許可を得る事なく個人の使用していたPCを閲覧し、違反の証拠があると本人や家族を呼び出したことがある。
しかし、証拠は無かった。疑われた本人は担任や学校への不信から学校へ通えなくなってしまった。その事を弁護士に依頼したが頼りにならず質問書の回答も学校からは来なかったという。
このような事実が至る所にあり泣き寝入りさせてしまう案件について、改善されていない現実が頻繁に起きている。
例の政治家のキックバック関連の処分も基準が曖昧なままで逮捕や処分もされない現実がある。正義が虚しくさえ感じてしまう昨今、警察も教育も学校もこれでいいのだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)