一刀両断 実践者の視点から【第522回】
NEWS体罰半減でよいのか
北海道内公立校の体罰が半減したとの記事には注目した。結果として出た数字ならば今後に期待はできる。ただし、その手立てはどのようにされたのかを詳細に教えてほしい。半減としても起き続けていることには変わりないからである。
効果を得た手立てがはっきりしなかった場合は、たまたまでありかえって油断にもなりかねない。
体罰にも捉え方や手加減などやる方もやられる方も微妙なところがある。私たちの年代は当然の如く体罰があった。
殴られたり、正座させられたりと珍しいものではなかった気がする。確かに悪い事をした自覚はあった。しかし、最近の傾向は、体罰に至った理由がはっきり自覚されていないように感じられる。
どこまでを体罰とするかによって数字は大きく変化すると思われる。卒業してから体罰の経験の有無を調査したらこの数字は跳ね上がるのではないだろうか。
ともかく体罰は指導に力がない証左と私は見ている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)