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おしごとそうだんセンター

14面記事

書評

ヨシタケシンスケ 著
ヨシタケ流に働く意味問う

 絵本作家でイラストレーターのヨシタケシンスケさんによる「おしごとって、何?」を楽しみながら学べる絵本。キャラクターがとにかくかわいい。
 地球に不時着して、どこの星から来たのかを忘れてしまったタコみたいな宇宙人が、地球で仕事を見つけるために「おしごとそうだんセンター」へ行き、スタッフの人から、いろいろな仕事を紹介してもらいながら「どうやってえらべばいいの?」「なりたいおしごとになれなかったら?」などを学んでいくストーリー。
 といっても、登場する仕事は「焼きイモ似顔絵屋」とか「世界征服代行業」など、世にも珍しいものばかり。ナイショだけど、実はこの書評も、本書に登場する「読書感想文代筆屋」に頼んで書いてもらっているのです…なんてね。
 小さい子だけでなく、高校生や大学生、大人になっても「仕事に就く」のはとても高い壁に思える。「なんで働かないといけないんだろう?」「縛られるみたいでイヤだな」と感じる人も多いだろう。私だって、今でも100%理解、納得しているわけじゃない。
 「なんとなくきょうみがあることってだけで決めちゃっていい」「おしごとって、誰かの役に立って誰かをたすけるもの」「おしごとで一番大事なことと、あなたにとって一番大事なことは同じとはかぎらない」などの大切なことを、もう一度考えてみませんか。
(1760円 集英社)
(浅田 和伸・長崎県立大学学長)

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