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一刀両断 実践者の視点から【第515回】

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学校事務職システムの脆弱さ

 小学校の事務職員が約420万円を着服し懲戒免職になったと報じられている。こうしたことが起きやすいシステムが問題である。
 この事務職員は25歳だというから、まだ採用されて数年にも関わらず、このような行為が出来るシステムなのである。
 市町村立学校であっても県職員の場合は県で処分される。本来なら身近な市町村教委で指導監督してもらいたいところだが、教委に事務職員を指導監督する場が存在しない。
 通常は県の教育事務所に担当が1人いて管内の200校を越える地域の事務職員の書類を受けていて、指導は手に負えないために、自主的に近くの学校毎に研修をしている。
 管理職試験にはこうした1人職の職務内容などの理解は求められないのだから、お任せになりやすい。
 教頭の頃、旅費の支払いが滞っていた為に書類のチェックをした。すると様々なミスが見つかった。市が配置した事務職員とは仕事内容を分担しているので、全て自己判断出来るし、管理職や教師はお任せだからこうした不祥事は起きやすいのである。
 システムとして極めて貧弱ではないだろうか。30年来指摘しているが変わらない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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