英語の中高ギャップ埋める授業方法提案
9面記事大修館書店刊
大修館書店はこのほど、「中高ギャップを埋める 高校の英語授業6つの改善策」(金谷憲編著)を刊行した。NHKラジオ英会話をはじめ、中高生の英語教育に長年携わってきた著者は、学校英語の最重要課題は「中高ギャップの解消」であると考える。
その実態をデータで示すため、検定教科書の難易度を調査。それによると、ある教科書の中学3年用と高校1年用では、中学校で学ぶ内容の2年分に相当する差があることが分かった。
また、進学校向けのテキストを使用する平均的な学力の公立高校で調査したところ、生徒が自分の力で理解できる内容は3割程度だということも分かった。
本書は、このような問題点を踏まえた上で、六つの改善策を提案。中高ギャップを解消するのに必要不可欠なのは、「適切な教材」「繰り返し」「(生徒に)使わせる」の三つであるという考えを基本とする。さらに、それぞれの改善策を取り入れた高校の事例も紹介している。
本書の後半では新カリキュラム案として、「英語活動」と「英語理解」を合わせた「ミラカリ」を提案。「英語活動」で行うのは、中学英語の運用に向けた話し合いや発表。一方の「英語理解」で新しい語彙や英文法を学び、日常的・社会的な話題を通じた読解力の養成を目指す。
日常会話に必要な語彙は2千語という分析結果や、中学英文法だけで「英語活動」は可能という考えから、「ミラカリ」実現のための教科書編成も検討している。
A5判、230ページ、定価2640円。
問い合わせ=Tel03・3868・2651