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調整額10%以上 職級新設 中教審 審議まとめ素案

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中教審

 文科省は19日、教員確保を議論している中央教育審議会の特別部会に審議まとめの素案を示す。現在、給料月額の4%相当が支給される教職調整額を10%以上に引き上げることを求める。また主幹教諭と教諭の間に職階を新設し、業務の負担に応じた処遇改善を図る。来年の通常国会にも教員給与特別措置法の改正案を提出したい考えだ。

 素案の原案によると、審議まとめは6章で構成。働き方改革の加速や学校の指導・運営体制の充実とともに教員の処遇改善の方向性を示した。
現在の教員の勤務実態について「我が国の未来を左右しかねない危機的状況にある」と指摘し、勤務、給与、教職員定数にかかわるそれぞれの仕組みで見直しを提言している。

 教員の処遇改善について、人材確保法制定後の一般行政職に対する優遇水準である7%を確保するため、教職調整額は少なくとも10%以上とすることが必要だとしている。「教職に優れた人材を確保する必要性が一層高まっている現在の状況においては、当時の優遇分と同程度かそれ以上の措置を講じることについて社会的な理解は得られる」とした。

 職務に応じた改善策も示す。主幹教諭と教諭の間に新たな職を設け、若手の育成や校内業務を担う教員を処遇する。給料表に級を新設し、6級制の導入を目指す。東京都の「主任教諭」を参考にした。新設する職について、主任手当より高い処遇を想定しているという。また、学級担任を持つ教員に対する義務教育等教員特別手当の増額や、管理職の手当の改善も盛り込む。

 教員の負担軽減を目的に学校の指導・運営体制の見直しも求める。持ち授業時数の軽減や授業の質の向上のため、小学校の高学年で推進している教科担任制を中学年にも広げることを提案する。持ち授業時数を巡っては、国に上限設定を求める声があったが、持ち授業時数だけで勤務負担を測ることは十分ではないとして教育委員会や学校の実態に応じた柔軟な対応を求める。定数改善では、義務標準法の「乗ずる数」を引き上げても教員増加分が授業時数の軽減のために使われない可能性がある、として専科指導の加配で措置する方針を盛り込んだ。

 若手教員への支援の考え方も示している。新規採用者は学級担任にせず、教科担任と学級副担任を担当させるなどして経験を積ませる。そのために教科担任制の充実に向けた定数改善を図るとしている。また、不登校の児童生徒の急増を受けて、全中学校に生徒指導担当教師の配置も求めている。

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