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資産形成や投資を学ぶ 「金融リテラシー図鑑」

11面記事

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学事出版

 学事出版(株)はこのほど、「入門 高校生のための金融リテラシー図鑑」(泉美智子著)=写真=を刊行した。令和4年度に高校で始まった金融教育を踏まえ、資産形成のための知識や、社会での金融の役割なども学ぶことができる。
 著者の泉氏は、子どもへの経済教育などを行う団体の代表を務める。大学で教える傍ら、各地で講演活動を行っている。
 本書の構成は、第1章で金融に関する基礎知識を、第2~5章で四つのお金の動きとして「使う」「稼ぐ」「備える」「貯める・増やす」の各項目を詳しく解説。最終章では金融に関する社会の動きについても触れている。
 第一章の冒頭で、「給料を使い切っていいの?」「投資しても大丈夫?」などの身近な疑問に答えるための参照ページが記載され、興味を持った内容から読み始めることができるような工夫がある。
 第四章の「マネープランを立てる」では、その主なメリットに、「早い段階から資産形成ができる」「夢や目標の実現性が高まる」「前向きなキャリア設計にもつながる」の三つを挙げる。メジャーリーグの通訳という夢を持つトオル君の事例を参考にしながら、読者がマネープランを考えることができるようになっている。最後に、定期的な見直しも必要だという注意点が付け加えられている。
 第5章の「投資のリスクを軽減するには」では、「長期・積立・分散」を投資の基本として解説。税制優遇のある二つの投資制度「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と「NISA(少額投資非課税制度)」を紹介している。
 最終章では、昨今のSDGsに貢献するような消費行動が合理的だと考える価値観が常識となりつつあると説明。この価値観から「公益資本主義」の経営を目指す企業も増えている。企業を支える投資家にも、そのような企業へ投資する動きが広まっていると解説している。
 B5判、128ページ、定価5280円。
 問い合わせ=Tel03・3518・9655

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