「メロディ だいすきな わたしのピアノ」
12面記事くすのきしげのり作・佐竹美保絵・鴨志田恵英訳
1台の新品のピアノのお話。ピアノは誰かが弾いてくれるのをお店で待っていた。ある日、小さな女の子がふたを開けて鍵盤に触れ「ド・レ・ミ」と弾き始めた。ピアノは精いっぱいの音を響かせた。
そのピアノは女の子の誕生日に買われ、「メロディ」と名付けられる。メロディは、名前を付けてもらえたことが、うれしくてたまらなかった。それから女の子は、うれしいときも悲しいときもいつもメロディを弾いた。しかし、中学、高校、大学になるにつれて徐々に弾かなくなり、何年も音を出すことがなくなった。
そしてある日、業者の人が来て、部屋の外に運び出した。メロディは胸が張り裂けそうになり…。
(1650円 ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスミュージックメディア部)
(TEL03・6894・0250)