野菜の植え付け

岐阜県・高山市

　城下町・商家町の面影が残り、伝統文化が今に息づく岐阜県高山市は、日本一広大な面積を有し、その約９割が森林という豊富な地域資源を活かしたグリーン・ツーリズムに取り組んでいる。教育旅行では、農業や自然、生活文化、食文化、環境活動など５０種類以上に及ぶ体験メニューを用意。なかでも好評なのが、農村での田植えや稲刈りなどと食文化をセットで体験できるプログラムだ。「今はスーパーに行けばどんな食材も手に入りますが、食べ物が作られる過程や苦労を知る子どもは少ない。たとえば郷土食の五平餅や保存食の朴葉寿司作りを学び、それを口にすることで、農作業だけでなく昔から続く食文化の流れを一緒に知ることができます」と一般社団法人ふるさと体験飛騨高山の鈴村仁孝事務局長。そこには、農山村地域の人々が厳しさや恵みをもたらす自然と、いかに共生してきたか身をもって感じてほしいという思いが込められている。
　「乗鞍山麓　五色ヶ原の森」では北アルプス乗鞍岳の麓の山域を森の案内人（公認ガイド）と共に散策することができる。このエリアは高山市の条例でガイド同伴での入山が義務付けられており、８名につき１人のガイドが付く。安心・安全な散策に加え植物や地形についての詳しい説明も受けることができる。飛騨高山での体験を機に、将来を担う子どもたちに日本の伝統文化や農業、自然への感心を高めてもらうことを期待している。

　農山村体験に関する問い合わせ＝一般社団法人ふるさと体験飛騨高山
　https://furusato-taiken.com/
　乗鞍山麓　五色ヶ原の森　電話０５７７・７９・２２８０
　教育旅行に関する問い合わせ＝飛騨高山観光客誘致推進協議会（事務局　高山市観光課内）
　電話０５７７・３５・３１４５

布引滝ツアーの様子