東京都の新年度予算案 高校授業料を実質無償化
2面記事給食費の保護者負担軽減も
東京都は1月26日、一般会計で総額8兆4530億円となる新年度予算案を公表した。教育関係では、高校授業料の実質無償化や給食費の負担の軽減が柱。支援人材の配置拡大を通して教員の働き方改革も進める。
都は給食費について「本来は国の責任と財源で無償化を進めていくべき」としつつ、公立学校での保護者負担軽減に取り組む。区市町村が保護者に支援する額の半分を都が補助する。区市町村立学校分の経費に239億円計上した。
保護者の所得にかかわらず子どもたちが安心して学べる環境を整えるため、都内に在住している私立高校や特別支援学校高等部などに通う生徒の保護者に対し、授業料を所得制限なく支援する。
学校の業務改善に向け、都教委は小学校1学年から3学年を対象に、学級担任を補佐する「エデュケーション・アシスタント」を現在の100校から全校に配置する。部活動の地域移行に向けては、都立学校の部活動指導員を300人増員する。
教員が悩みを相談しやすい環境づくりを進める。新規採用の小学校教員が「メンター」の先輩教員に悩みを相談できる仕組み構築には4千万円計上した。SNSを使って匿名で相談できる窓口も開設する。
この他、都立学校の生成AI活用に向けてAIからより良い回答を引き出す対話スキル研究に関する費用などを盛り込んだ。
また同日、令和5年度最終補正予算案も公表。国が補正予算に1人1台端末更新に向けた都道府県単位の基金設置経費を盛り込んだことを受け、都は基金設置費用に110億円を計上した。