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一刀両断 実践者の視点から【第443回】

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施錠した学校と避難所

 《避難者が到着時に小中学校8校で施錠状態、ガラス窓を割って中へ…震度5強の富山市》(読売新聞社)という見出しの記事は重要な示唆をしている。実は避難所とは名ばかりで、それだけの備蓄などほとんどない場合がある。
 学校稼業中ならばそこに避難民が押し寄せる。私の学校は千名を超える児童、80名ほどの職員、そこへ避難民が避難所として二千名と試算されていた。
 備蓄量は数百人分しかなく生活水はプールと屋上の貯水槽からとされていた。こうした現実を知っていても手を打たなければ困難は見えている。
 災害が起きる時刻によって対応は異なる。常に最悪を想定して考えて配備しないと混乱し命取りになる。今回の開錠も単純に想定できる事であるが、対応できていなかった事になる。ある意味、割って入ってくださいとしてその後塞げばいいのではないだろうか。鍵という概念にこだわると対応は間に合わないと感じられる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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