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一刀両断 実践者の視点から【第440回】

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教員養成段階から性犯罪予防を

 《埼玉・川越市の新任中学校教員の男を逮捕 車内で10代後半女性に性的暴行か 「同意のうえです」容疑否認 埼玉県警》(TBS NEWS DIG)という見出しの記事によると、勤務先のコメントは勤務態度に問題はなかったとしている。
 それはそうだろう。問題があったとは言えないし、個人的なことには介入できないようにされているのだから問題があっても事が起きないと分からないのが現状なのである。
 個人情報保護やパワハラなどの人権意識や権利が浸透し管理職としてもうかつに聞くことや声掛けも慎重にならざるを得ない。教師の不祥事は影響が大きいのだから、個々の過度な性癖などは合法的に把握できるようにして欲しいものだ。
 特に今回のケースは年齢も近くそうした感情につながりやすいだろうから、その予防は養成課程や選考過程においてされないと制御は効きにくくなる。
 この点を曖昧にして対症療法的な措置や文書注意喚起などの効果は極めて薄い。こうした例は全国で共有して教員養成講座の中にも積極的に組み込んで演習させるなどをしないと予防にはならない。問題なのはそれができる教授や指導主事がいるかという事である。事務的や教授的でなく実体験として浸透させられるスキルがないと「やっただけ」になってしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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