教職あいうえお 校長・教頭・ミドルリーダー・担任・初任のコツとアイデア
20面記事白鳥 秀幸 著
50音の簡潔な言葉で実践的助言
著者は、担任経験をはじめ主幹や教頭、そして教育委員会指導主事、さらに高校の校長として勤務という教職生活を経験。本書は、その豊かな経験に裏打ちされた実践的なコツとアイデアが凝縮されている。
第1部は、「50音でわかりやすく学ぶ教職論」、第2部は「学校危機管理の超基本 やさしくわかる対応ポイント」の2部から成る。タイトル通り50音を生かして著されているのが特徴であり、大変ユニークだ。読者にとっては読みやすく、必要に応じたページを選択できるのでかなり実用的。いや、必ず役に立つはず。
校長、副校長・教頭、ミドルリーダー、担任、初任者編の5種の職務別に編集されている。例えば、校長編では『あ』「ありがとうに勝る挨拶なし」・『い』「一生涯を貫く教育にかける」と続き、最後の『わ』「笑いをもたらす人になれ」とある。それぞれポイントとして簡潔に解説されている。うまく50音で考えられたものだと感心。副校長・教頭編の『あ』「諦めなければ流れが変わる」・『す』「好かれる人を目指すな」など実に味わい深い言葉が並ぶ。その時の立場で触れる言葉は心に染み入ることだろう。教職に就く人たちへのリスペクトが感じられるのだ。
第2部の危機管理編でも「パワーハラスメント」や「熱中症」など現代の課題への対応ポイントを分かりやすく解説。必携の書である。
(2420円 学事出版)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)