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一刀両断 実践者の視点から【第421回】

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私立中高の若手社会科教師による犯罪

 都内の中高一貫私立高に務める社会科の教員が逮捕されたという。男子生徒に自身の性的な画像を送信させた疑いがあると報じられている。加害者の年齢は29歳だとのことである。
 「社会科」「29歳」「私立一貫校」という言葉から最悪のシナリオが浮かんで来る。
 社会科の教員免許はさまざまな学部で取得できる。その結果、教員採用試験での合格は難しい。その社会科の教員を務めているということは成績が優秀とかその学校の関係者とか運動部の指導に卓越しているなどの理由が考えられる。
 29歳となると生徒とも年齢が近く、乗りの面では近しい面がある。そしていろいろな誘惑や野望そして妄想も起きやすい時期でもある。すなわちふらふらしているとも言える。
 そして一番は私立という特異な環境である。私立は経済力や能力という視点からすると公立とはかけ離れた実態がある。分かりやすく言うと、他の先生から授業を見られたり指導を日々受ける事がないからである。さらに給与は公立より高く序列は代わりにくいとなると、何をやっているのだか分からないのである。
 校長もそうした教員の授業を日々視察し指導すると言う事を理由をつけて避ける傾向が強い。その意味に加えて個人的な指導や介入はパワハラと騒がれる為に後手後手になる。こうした中では今回のような出来事が明るみに出たことは珍しく殆どは隠蔽または部外秘にされているのが現状ではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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