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一刀両断 実践者の視点から【第402回】

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論説・コラム

中絶と道徳

 「15歳未満の中絶、22件増の147件」という数字を見て驚くか、想定内かで日常の意識が測れる。また、「不登校に至る重大ないじめ 大半、見過ごしの恐れ」のタイトルにも驚くか。
 私は想定内である。中絶の数は一桁違うと思うし、大半、見過ごしは8割程度と推測する。
 いずれも子どもたちを対象に顕在化している事実である。こうした事実こそが政治家の体たらくにより結果として社会で一番敏感な子どもたちに現れているのである。
 こうした案件に真摯に関わった教師はかなり心的なダメージを受けている。それよりも本人たちはこうした経験を記憶に留めながら生きる事になる。
 それは家族や関係者も忘れられない現実なのである。
 性教育に関し、セックスについても真正面から教えてはいないし、どの教科にも属さない。
 欲望のコントロールや生死の現実などを曖昧にせずに真剣に学ぶ事が出来るのは道徳ではないのか。課題解決が出来る道徳に脱皮しない限り、本音で道徳に期待はできない事になる。
 モラロジー道徳教育財団のスローガンは、道徳で人と社会を幸せに!とされている。この壮大にした個々が今から取り組んで結果を人に社会に顕在化しようと言うのである。
 大変わかりやすく、こうした道徳ならばその存在価値は極めて高いが、能書きだけなら鼻で笑われてしまうだろう。
 私は「動徳」として、結果の出せる道徳を全国講演させて頂いている。だからこそ前段のような案件から講話を始めている。お近くの方はお越しください。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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