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確かめながら 学校図書館と1人1台端末 ひろがる!つながる!学校図書館

16面記事

書評

全国学校図書館協議会『確かめながら学校図書館と1人1台端末 ひろがる!つながる! 学校図書館』編集委員会 編著
新たな活用、授業支援の可能性示す

 GIGAスクール構想による児童・生徒への1人1台端末の整備が進んだことで、学校図書館の役割、機能を再定義しようという試み。背景にICT活用の進展に学校図書館が取り残され、学校図書館の整備・活用に「全国的格差」が広がることへの危機感がある。
 「端末時代において学校図書館ができること」(第1章)では端末機能を利用した学校図書館活動、子どもの学びや授業への支援・指導の可能性を提示する。学校図書館が教科等横断的視点・俯瞰的視点を持つこと、多様なメディアを扱うことができるといった独自性を生かした活動の必要性も指摘した。
 第2章「ひろがる!つながる!新しい学校図書館を」は利用指導やオリエンテーションなど15項目を設定して、より具体的に個別の教育活動や授業支援方法などを例示した。さまざまな情報がデジタルと結び付くことで、活用に大きな幅が生まれていくのが分かる。
 第3章「生きる力を育む学校図書館を」では発達段階を意識し、紙の本を含めデジタル情報を取り入れていく過程を示す。「学校図書館と著作権」(第4章)にICT活用時の著作権の動向、留意点を掲げた点も含め有用だ。
 文科省が定めた「学校図書館ガイドライン」(平成28年)は校長が学校図書館長としての役割を担うことを明示し、一層のリーダーシップを求めた。本書は学校図書館運営を刷新する際の参考書ともなろう。
(1980円 公益社団法人全国学校図書館協議会)
(矢)

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