一刀両断 実践者の視点から【第374回】
NEWS性欲のコントロール
高齢者による事件が相次いでいる。驚愕するのは100歳代のご婦人が被害者となった性暴力事件である。人間の性欲の計り知れなさに改めて驚かされた。
高齢になればそうした欲望も減退すると決めつけていたので、100歳代の老人を対象に捉えた事実にその欲望の異常さを感じてしまう。
しかし、それが異常と捉える事自体が間違っているのかもしれないと思われるケースも振り返ると思い浮かぶ。歴史の中にも性欲が衰えないで生きた者が多くいた。
相手を敬い大切にする中に性の営みがあると考えるのではなく、ただ一方的に自己の欲求のみを満たす為に子どもや生徒に手を出す教員の報道はあまりに多い。
その未遂の数や隠蔽されたり表立つ事を避ける為に伏せられているケースを入れたら報道の数十倍になるだろう。
性欲のコントロールは生物としてきちんと学ぶべき事である。触れないとする学者や評論家がこうした事件を誘発させているとは言えまいか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)