ライフコーチの視点から 現代を生きる子ども・若者のリアル【第10回】
NEWS無理やりしていて、苦しい
「私は楽しいこととか好きで、でも無理やりしていて、たまに苦しいなと思います。みんなから何も考えてなさそうとかよく言われたりして、正義ってなんやねん…みたいな感じで結構悩んだりしていて、でもちょっとは自分のこと分かれたかなと思います。自分のなりたい自分を作りたい。(中学3年生)」
前回に続き、児童自立支援施設内併設校、大阪市立弘済小学校・中学校分校で行った「自己理解」をテーマにしたワークショップ型授業。終了後のアンケートに書かれた生徒の声を紹介する。
授業の冒頭で、こんな問いかけをしてみた。
「自分のことを、どれだけ知っているか?」
「知っているつもりの自分、それは本当に本当の自分なのか?」
少し難しい問いだったかもしれない。大人だって答えられないかもしれない。
自分という人を、周りに合わせてつくってしまうことはないだろうか。周りが望む自分を
つくっていくうちに、まるでそれが本当の自分の様に勘違いをしてしまうことがある。
でも「苦しい」というその心の感覚が本音を教えてくれているのではないか。
逆に、自分で気付いているのにやめられなくなるケースもある。本当の自分を見せられず、本当の自分を隠し続けなければいけなくなる。自分にも相手にも、嘘をついている状態だ。
自分に嘘をついていれば、自己信頼は失われ、どんどん自分を嫌いになっていく。
私たち大人は、子どもたち、若者たちが、嘘のないありのままの自分でいられるように、どんな自分も好きでいられるように、「どんなあなたも大丈夫」と伝えていくことが、大切なのだと思う。
中高生の心を開く専門家/ライフコーチみつはしあきこ
幼少期に父親から虐待を受け、学校では、いじめの標的になった経験を持つ。成人後も、自分の思うような生き方ができなかったが、東日本大震災をきっかけにコーチングを学び、独立。3兄弟の母。ホームページ(https://mitsuhashiakiko.com/)に情報多数。