他人事ではなく自分事という意識を教員向け法教育セミナー開催
6面記事高等学校分科会で自身の授業実践を解説する石本教諭
法務省
法務省は8月18日(金)、同省内で教員向け法教育セミナーを参集及びオンデマンド配信のハイブリッド型で開催した。2022年4月の成年年齢の引き下げに伴う法改正により、裁判員制度においても18歳が裁判員に選出されることとなった。これらのことを受けて、「裁判員対象年齢の引下げと法教育の実践について」をテーマに基調講演、分科会及び意見交換会の3部構成で行われ、多くの小中高の教員が参加、聴講した。
第1部の基調講演では、埼玉大学教育学部の小貫篤准教授と、東京大学大学院法学政治学研究科の成瀬剛准教授が登壇。小貫氏は、刑事法の学習を軸に、高校生の法意識調査の結果について講演し、成瀬氏は、法教育教材「もぎさい」の特徴や授業で刑事裁判手続を取り扱う際のポイントについて講演した。
第2部の分科会は、小中高の各校種に分かれて実施された。小学校分科会は、小金井市立南小学校の木村法子主任教諭、中学校分科会は、立川市立立川第三中学校の三枝悠平教諭、高等学校分科会は、茨城県立並木中等教育学校の石本由布子教諭が登壇し、法律実務家と連携した法教育の実践を発表した。
第3部はセミナー参加者による意見交換会が行われた。今回は「小学校、中学校及び高等学校の各課程において、刑事裁判手続を取り扱うことの意義・効果について」「法律実務家と連携した法教育授業の在り方や実施に当たっての課題」の2つをテーマに各グループで話し合った。グループ発表では、「裁判員裁判を他人事ではなく、少しでも親近感を感じてほしい」といった意見も出た。
同省は今後も、学校現場での法教育の普及・推進を進める。
問い合わせ=法務省大臣官房司法法制部司法法制課司法制度第二係 電話03・3580・4111(代表)内線2362