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一刀両断 実践者の視点から【第367回】

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保育現場での暴言

 《1歳児クラスで「嫌われ者はここ」こども園で4人の保育士が園児に暴言 理事長「4月に開園したばかりで…」》(東海テレビ)という見出しの記事には呆れもするがその背景が気になってしまう。待遇の面や勤務実態なども不平不満の要因になっていると考えられるからである。
 幼児教育を軽視してきた我が国の間違った価値観がある。保育士間の人間関係すなわち力関係も伺われる。開園以来わずかの期間でこうした事実を掴めた事は不幸中の幸いとも言える。
 理事長は指導不足と言ってはいるが、本来なら業務上の過失として処罰することが相当であり、保育士達も自主退職は認めずに免職とすべきであるが、それもしないのだからまた何処かでやらかす事だろう。
 扱いの困難な幼児は増えているだろうから、対応への工夫が求められる。この園の職員は皆が知っていただろうし、制御できなかった人間関係についても保育士の養成機関で学ばせる必要がある。
 そこまでは出来ないと言うであろう面々の口調が聞こえてくる。すなわちこうした事件の要因は本人達で済むものではない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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