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一刀両断 実践者の視点から【第365回】

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論説・コラム

教材にできるか「芸能界の性被害」

 若者がかなり影響を受ける芸能の世界で、性被害に関わる醜いニュースが流されている。どう見てもやはりそうだったかと思える内容ばかりで、それはドラマそのもののように感じてしまう。記者会見でも役を演じているかのような錯覚を覚えてしまう。
 私は人事を長くやってきた関係で人相を見て判断する事が多い。口先では何と話そうとも心は目に出る現れるものであり、演じていても本質は透けて見えてしまうものである。裏心がある者の発言は違和感が残る。
 今回の問題は外国からの指摘に端を発している。国内のメディアやその業界からは出されなかった。知っていても正さないという利権や権力で縛られている事実がはっきりした。
 若者の夢の後ろに暗躍した欲と権力の醜さは正されるどころか、隠蔽されていくだろう事が先日の記者会見でも感じられた。
 欲望が人にはつきものである。しかし、その制御を教え導くのが教育なのだから、その主幹は道徳の実効性ではないだろうか。
 その実効性を求めないようにして来たのは誰だろうか。今回の事件はあくまで氷山の一角で、いつかは出る想定内の事で、こうした出来事になど気にもしない思想と権力が蠢いてるのではないだろうか。そうした輩にはその方が都合の良いからではないだろうか。
 さて、今回の出来事を教材にして授業の出来る教師は何人いるだろうか、そこが一番気になるところである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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