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一刀両断 実践者の視点から【第338回】

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旅の勧め

 <中国「冷戦思考だ」 NATO首脳会議の共同声明を批判>という見出しの記事にあるように、国家間の緊張が高まっている。こうした国際情勢について、特に小学校教員は疎い気がする。それでよいのだろうか。
 以前、株をやっていた先輩がいた。外国の株を買っていたらしく勤務中もかなり頻繁に気にしていた。結局はあまり儲けにはならなかったようで、体を酷使したのか教頭になってすぐに校舎見回り中に倒れて亡くなった。株以外でもこの先輩の話題は国際的で面白かったことを思い出す。
 少し朝に余裕がある時はテレビで国際ニュースを流しながら時を過ごす。すると現実の世界からの出来事がリアルに入ってきて地球人としての自覚が促される。
 先日、台湾へ出向いた。当然中国との軋轢で緊張感に溢れていると想定したが、現実は違った。何故なら昔からそうだからである。
 それよりも自国への自負は高く教育熱と経済発展の勢いに燃えていた。半年にわたる兵役はあるが、青年たちも躍動的だった。
 閣僚に若者が多く登用されIT分野の世界をリードしているという意識は高く、資源や食材の豊かさもありインバウンドでさらに躍動している印象を受けた。日本への感謝の念は強く、憧れの地日本と親日の思いの熱さは薄れてはいなかった。
 この夏、教師は、特に小学校教員は海外へ少し長めに旅する事を私は強く勧めたい。
 確か教師になって3年目に、初めて日本を離れて出向いた地が台湾だった。あれから3度目の訪問で今の台湾の躍動感はどこか懐かしい、かつての日本のようだった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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