すべての教師が知っておきたい 体育授業のヒヤリハット 今すぐできる予防スキル80
16面記事山崎 雅史 著
重大事故防止へ具体策を解説
子どもたちにとって、学校は快適で安心・安全な場でありたい。しかし、実際にはけがをして保健室で処置を受けるケースはおろか、病院で治療を要する事故に見舞われることすらある。現場では事故防止に向けた研修や救助訓練を行い、また安全点検も定期的に行っている。防げる事故は徹底的に防ごうと努めている。それでもヒヤリハットを経験したことがある教員は多いのではないか。
本書は体育授業を中心に、重大事故の裏にあるヒヤリハットの事例を80点示し、その予防スキルを解説。尊い子どもの命を預かる責務を自覚し、ヒヤリハットを知って重大事故を未然に防ぐようにしたい。このことは子どもを守るだけではなく、精神面も含め教師を守ることにもつながる。
事故を起こさないために教師自身の危険予知能力を高める八つの視点などは、事故が起きてしまったときのTO DOリスト7点と共に常に掲示しておきたい。他にも、随所に心したい言葉が散りばめられている。
「今まで、できていたから」「自分が子どもの時にはやっていた」など自分の経験を過信した授業はしないと戒めたい。
そして、子ども自身にも命を守る危険予知能力や危険回避力を育む大切さを説く。「けがされたら困る」と学習機会を奪うことにならないよう、事故の未然防止に最善を尽くすことを具体的に学べる一冊だ。
(2156円 明治図書出版)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)