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修学旅行の実施率が飛躍的に改善~令和4年度修学旅行(教育旅行)に関する調査結果から~

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修学旅行で注目している学習テーマ

 本紙が今年2~3月にかけて、全国の学校4500校(小・中・高各1500校)を対象にアンケート調査を実施し、702校から回答を得た。アンケート結果によれば、令和4年度は96%の学校が修学旅行を実施しており、訪問場所も7割近くが「例年通り」だった。また、今年度の修学旅行も「コロナ禍以前と同じ時期に実施」する学校が9割で、「コロナ禍以前の時期から変更して実施」は1割を切っている。令和3年度の調査では8割近くが行き先を変更し日程を短縮していたことから、修学旅行の領域でもアフターコロナの対応が着実に進んでいることが分かった。
 一方、修学旅行で注目している学習テーマでは、昨年度調査に引き続き「探究学習、問題解決型学習」と答えた学校が412校と最多。「SDGs」312校、「平和学習」284校、「キャリア教育」200校と続く。
 実社会につながる教育が求められる中で、これらのテーマは修学旅行に適しているが、課題はどうやって各テーマを個々の探究活動へと落としこむかだ。また、今後、海外への修学旅行が復活すれば、169校にとどまった「英語学習、グローバル体験、異文化学習」への関心が自ずと高まっていくのではないかと推測する。
 「児童・生徒に体験させたいこと」の問いでも、観光地巡りから脱却し、社会との接点を図ったり、自身のキャリアを考えたりする機会となるよう、「社会人との交流プログラム」「職場体験」「大学研究の見学」などが上位を占めるようになっている。
 最多は244校の「原爆や被災地見学などのホープツーリズム」。災害とエネルギー問題は日本の将来を考える上で欠かせないテーマであり、学校が進めている探究・SDGs教育とも親和性が高い。未曽有の被害を受けた地を訪ねることは、まさに座学では得られない体験になる。


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