一刀両断 実践者の視点から【第322回】
NEWS犯罪の疑い、保護者説明会の在り方は
鹿児島県の公立高校で数十人の生徒が詐欺事案に関わっていた疑いがあるとの報道がある。16日に、高校側は臨時の保護者説明会を行ったという。それによると今後の新たな課題を示している。
既に学校の指導範囲を超えているので説明会を開いても、再発を防ぐ為に皆が意見を交わす場としては成立するが、学校が保護者から責められる場ではない。
それが出来なかったのは何故か疑問である。今回の保護者説明会は謝罪の場ではないとすると主催は教委や保護者会でもよかったのであり、学校からも意見を聴くとか予防のアイデアを聴いて対応するのなら理解はできる。
ここの問題は、学校を責めるという意識が浸透している保護者とそれは違うということが言えない周りにある。
時代はこうした犯罪が起きても不思議ではない環境になっているのであり、そこに追いつかない大人社会が露呈した。これを仮に警察が主催したらどうなっただろうか。責任を追及するよりも今後の対応をそれぞれの立場で考え行動する必要があるのではないだろうか。
犯罪という認識を教えルールを逸脱すればペナルティが科されてダメージを受ける。そうならないように自制する事は家庭でも社会でも学校でもしっかりと教えているだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)