自分たちで学校を変える!教師のわくわくを生み出すプロジェクト型業務改善のススメ
16面記事澤田 真由美 著
実践記録に働き方改革のヒント
全国的な教員不足、長時間労働など、教師を取り巻く環境改善のため推進される働き方改革の話題が、連日のように報道されている。
教員を経験し学校現場をよく理解したコンサルティングに定評がある著者は、「業務改善は単に削減一方のものではない。もっとこうだったらなあをかなえていくことである」と言う。「先生が教室で幸せなら、それが子どもに大きく影響する、校長先生が幸せなら職員に大きく影響する、教育委員会が幸せなら地域の学校に大きく影響する」との考えの下、多くの学校、また教育委員会の伴走者として関わりを持っている。
本書は、これまで支援した中の2校と1教育委員会の実践記録。それらのタイトル「『自分たちで学校を変えられた!』」「『どうせ変わらない』から『本音の話し合いで変わることができる』へ」からも分かる通り、失敗も含めた記録が心強い。
著者は、先生たち自身が「自分たちは社会を変えられる可能性をもっている」ことを実感できるような体験が、業務改善というテーマの下、行われたら、働き方改革と教師の資質向上の両方がかなう一石二鳥の可能性があると言う。内発的動機を大切にした仲間と知恵を出し合って取り組むリアルなストーリーに、学校をもっと良くするための働き方改革のヒントが見つかるかもしれない。
(2310円 教育開発研究所)
(伊藤 敏子・仙台市教育局学びの連携推進室主任)