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一刀両断 実践者の視点から【第311回】

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論説・コラム

不道徳な言動

 出入国在留管理局で亡くなったスリランカ人女性に対する政治家の発言に対し、「二度と事実に基づかずに、姉の尊厳を傷つける発言をしてほしくない」と訴えたという。この言葉はとても重い。遺族の気持ちを第一に考えるべきものを自らの推測で話すという暴挙が政治の世界にはまかり通るという証明がされている。
 立場が逆だったらさらに逆上したのではないだろうか。こうしたモラルや品格と極めて遠い言動を制御できないのが政治だとすると主権者教育も形骸化してきているようにも感じられる。
 首相官邸で撮影した親族達のおふざけ写真が世間を騒がしている。息子が秘書官ならそのけじめはしっかりとつけねばならないが、それが出来ないのだから話にならない。しかし、そうした議員達を選んだのは国民であるのだから民度の低さを露呈しているとも言える。
 何と情けないことか。しかしながら、こうした不道徳な者たちを教育したのは私たち教師であることには間違いはない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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