令和5年 通常国会質疑から【第4回】
NEWS開会中の通常国会では、予算案・法案審議の他にどのような質疑があったか。衆議院文部科学委員会、参議院文教科学委員会などでは、まだ、あまり明らかになっていない政府の考え方などが見えてくる。3月9日の参議院文教科学委員会では、公明党の竹内真二人氏が、子どもの自殺について質問。SOSの出し方について学ぶ時間を設けるよう求め、文科省は年に1度は設けるよう徹底するとの答弁があった。
SOSの出し方、年に1回は学ぶように
竹内真二議員 昨年一年間の児童生徒の自殺者数は五百十二人、暫定値ではありますが、過去最多となりました。児童生徒の人口が減っている中での増加という点、そして自殺予防に関する様々な対策を講じてきている中での増加という点を踏まえた上で、この数字というものを非常事態であるとの認識を持っていくことが私は重要であると考えております。
新たな自殺総合対策大綱には、悩んだり困ったりしたときに誰にどう助けを求めればよいかを教えるSOSの出し方教育と、今度は友達から相談をされたときなどにどう対応すればいいかを教えるSOSの受け止め方教育の充実も明記されております。
学校の授業としてSOSの出し方教育に積極的に取り組まれている学校もありますが、先生方からはなかなか時間を取ることが難しいという声も出ております。しかし、大変な状況にある子供たちにとってSOSを出すことすら思い付かない場合もあります。少なくても年一回は全ての児童生徒が、出し方、受け止め方教育、この両方を学ぶ機会を確保すべきではないでしょうか。その際、身近な心の支え手でもあるゲートキーパーの役割に関しても全ての児童生徒に伝えるなどして、ゲートキーパーの育成につなげていってはどうかと思いますが、文科省の見解をお伺いいたします。
実施を徹底
文科省初等中等教育局長 ただいま御指摘ありましたように、児童生徒の自殺を予防するためには、学校においてSOSの出し方や受け止め方に関する教育を含む自殺予防教育を推進していくことが重要でございます。
文部科学省としては、自殺総合対策大綱を踏まえ、教育委員会等に対してSOSの出し方に関する教育を少なくとも年に一回実施することを周知徹底しているところでございます。また、SOSの出し方に関する教育を実施する際には、SOSの出し方のみならず、心の危機に陥った友人の感情を受け止めて考えや行動を理解しようとする姿勢などSOSの受け止め方についても児童生徒に教えることとしているところでございます。
今後とも、こうした取組を進めてまいりたいと存じます。