不登校対策で総合プラン 特例校やサポートルーム設置促す
3面記事文科省
文科省は3月31日、不登校対策の総合的なプランを公表した。不登校特例校や校内サポートルームの設置を促す他、1人1台端末でのアプリを使った健康観察の導入を支援することを掲げた。永岡桂子文科相を本部長とする推進本部を省内に設け、取り組みを進める。不登校特例校は2月現在、全国で21校にとどまっているが、300校の設置を目指す。各都道府県に平均6校強設置となる計算だ。
これまでも同省が示してきた、不登校の子どもの学びの場の整備などをパッケージにまとめた。教育委員会などには同日付の通知で示した。
不登校特例校に関して、都道府県には自ら設置する以外に、域内の市町村での設置を支援することを求めた。校内のサポートルームは、空き教室やスペースを利用して設けることとした。
プランは子どものニーズに応じた多様な学びの場の整備を掲げている。そのため、授業を受けられない子どもには学校外で学んだ成果を適切に評価することも求めた。ICTを使った自宅などでの学習について、校長判断で出席扱いにし、成績評価に反映することが望ましいとした。
子どもの心や体調の不調に早く気付くため、1人1台端末の活用も促す。健康観察にアプリなどの利用を検討している市町村は580ある。子どもや保護者が相談したいときに、スクールカウンセラーなどにつながる仕組みを整えることを目指す。
子どもが不登校になりにくい学校風土をつくることも掲げた。学校評価の仕組みを使い、子どもの授業満足度や教職員への信頼感を把握する。そのための調査手法を文科省が近く示す。学校での犯罪行為があった場合は、直ちに警察に相談・通報することも求めた。