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一刀両断 実践者の視点から【第279回】

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論説・コラム

性感染症の危険

 この現状を防ぐのが教育ではないのかと問いたい。《赤ちゃんの感染も…急増する梅毒「『遊んでいる人』だけの病気ではない」》(西日本新聞)という見出しの記事がある。その感染の影響は計り知れない。
 性欲を満たす為に自ら危険をおかして行為をしたのだから自業自得と片付けられる事かもしれないが、性欲の代償としてはかなり重い結果になってしまう。
 こうした現実を若者たちは何処で知るのだろうか。学校では軽く扱われて記憶には残らない。
 私の母は看護師だった。戦後多くの梅毒患者に太い注射をした事を話してくれた。大のおとなが泣きながら注射を受けていたとか、鼻が落ちたとか、強烈な印象が残っている。
 ここでの問題は、行為の快楽への期待と梅毒への認識の甘さにある。たとえ避妊の処置をしても感染のリスクは多様に考えられる。
 コロナの感染が騒がれワクチンが打たれるが、梅毒のワクチンはないのかと比較にならないものの考えてしまう。その注射針はとても太く刺すとブスッと音がしたそうだ。それを毎週打たれたのだからたまったものではない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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