東京タワーのメインデッキに設置された「Care222(R)　iシリーズ　ベーシックタイプ　i―BT」

ウシオ電機「Care222(R)　iシリーズ」導入事例

　今年12月に開業65周年を迎える東京タワーは、高さ150mの展望台、メインデッキ2階エリアに、新たにウシオ電機の抗ウイルス・除菌用紫外線照射装置「Care222(R)　iシリーズ」を設置した。コロナ禍の感染予防対策として徹底しているアルコール消毒や検温だけでなく、最新の知見を活かした抗ウイルス・除菌技術によって館内の衛生環境を向上し、来場者に安心して観光してもらうことが目的だ。

人体に悪影響を及ぼさない紫外線で、モノや浮遊するウイルスを除菌
　新型コロナウイルスの収束が見えない中、多くの人が集まる観光地や商業施設では引き続き感染拡大防止対策が行われているが、来場者の「安心・安全」をより一層担保するためには新たな環境衛生対策も必要になっている。
　こうした中、「Care222(R)　iシリーズ」は、人体に悪影響を及ぼさない紫外線だけを照射し、その範囲内を除菌する装置として大きな注目を集めている。ウシオ電機が開発した独自の技術により、従来の紫外線照射装置ではできなかった、有人環境での紫外線照射を実現しているのが最大の特徴だ。
　使用方法は、照明器具のように天井など高いところに設置し、除菌したい場所をねらって目には見えない光（紫外線）を照射するだけで、新型コロナウイルスをはじめとする、さまざまなウイルスや細菌に対して効果を発揮する。
　何より、人の手による除菌作業では拭き漏れの心配があるが、紫外線ならピンポイントで確実に除菌できるとともに、照射内に浮遊するウイルスも除菌できるため、オミクロン株以降に指摘されているエアロゾル感染の防止にもつながる魅力がある。その効果は、広島大学との共同研究による新型コロナウイルス不活化・殺菌効果の評価結果により、変異株にも有効であることが示されている。
　しかも、アルコールなどの薬剤が使用できない場所でも使え、スイッチ1つで自動運転できるため除菌作業の負担を減らせることから、不特定多数の人が共用する場所での衛生環境維持に適している。そのため、すでに多くの医療機関をはじめ、オフィス、商業施設、公共・教育施設にも導入が進んでいる。

感染症の拡大防止や来場者の安心感を高めるため
　東京タワーでは、これまでもアテンダントおよびスタッフの健康管理の徹底と、館内設備についての消毒と清掃の徹底を実施し、感染症の拡大防止に努めてきた。これに加え、2021年7月には「Care222(R)　iシリーズ」を1階のチケットカウンター上部に設置し、カウンター表面と空気の除菌を実施・運用してきた経緯がある。
　その上で、今回、政府の水際対策緩和による訪日外国人をはじめとする観光客や修学旅行などの団体客の来訪が徐々に回復してきている現状を踏まえ、より一層の衛生環境を向上させることを目的に、来場者の多くが往来するメインデッキへも4台を追加設置した。なお、設置場所はメインデッキ2階のエレベーター到着フロア上部となっており、人の出入りの多い空間の除菌として活用する。
　さらに、コロナ禍の来場者の安心感を高めるため、紫外線による抗ウイルス・除菌技術が活用されていることを館内各所のポスターで訴求するほか、4K大型モニターやサイネージでムービーを放映し、ウイルス対策を周知している。
　学校の修学旅行を再開する上では、観光先の感染予防対策を事前にチェックしてから来訪場所を選ぶことが当たり前になっており、誘致先にはその対応が必須になっている。東京タワーは、全国から訪れる修学旅行生の代表的な観光地となっていることからも、こうした新たな感染拡大防止への取り組みは、引率する学校関係者にとって強い動機付けになるはずだ。

教員の負担を軽減し、学びを保障するため「Care222(R)」の導入を
　一方、学校施設における「Care222(R)　iシリーズ」の導入は、現在では大学や私立学校を中心に来訪者の出入りが多い受付フロアなどに設置する事例が増え始めている。しかし、大半の学校現場では毎日の消毒作業に伴う教員の負担が問題視されているほか、放送室や音楽室など十分な換気ができないスペースもあり、教育活動に支障が起きている。
　新型コロナウイルスやインフルエンザは季節によって流行を繰り返すことが予想されている。その中で、教員の手間を解消し、集団感染リスクが高い学校で学びを保障していくためには、「Care222(R)　iシリーズ」のような人の手を借りない、さらなる環境衛生機器の導入にも期待したい。

館内のサイネージなどで「Care222(R)」によるウイルス対策を周知