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一刀両断 実践者の視点から【第257回】

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論説・コラム

大学教員の採用

 教育界の低迷は、座学ばかりの学者を多く用いた事による弊害と指摘したい。実践に役立つであろう講義に出会った事が皆無である。困難な教育現場で理論と実践を磨き上げた人物が大学教員に採用されることはあまりない。文書実績から審査する状況が改善されない。結果として学校現場が求める教師像とは乖離してしまう。
 大学教員の待遇は他の職よりもかなり優れている。事務担当職員の1人は「一度採用すると不適格でも仕方ないんですよね」とぼやいていた。
 学生の意欲を餌食にした不適格教員が、国や県や市の委員にもなってしまうのだから改善など出来る訳がない。
 特に教職関係の教員はこの傾向が極めて強い事は以前から指摘されて来ている。ならばこそ選考基準を抜本的に見直して期待できる育成機関にしない限りは、今後益々その悪影響は子どもたちを蝕んで行く事になるだろう。
 具体的には、教師を志していても不向きな学生には課題を指摘して再考させ進路検討を指示できるようなシステムが必要なのである。これを私は大学で具体化して行きたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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